アウトドアや停電・防災対策として、一家に一台あると安心なポータブル電源。
すでにご自宅に用意されているという方、今現在購入検討中という方、いろんな方がいらっしゃると思いますが、ポータブル電源の安全性について気にされたことはあるでしょうか?
このページの目次
ポータブル電源の爆発事故が実際に発生しています
実は、ポータブル電源の中には、適切な安全対策が施されておらず、爆発事故などが発生してしまった製品もあります。
中国製ポータブル電源で爆発火災 福岡と岡山であいつぐ
福岡県や岡山県で昨年、中国製のポータブル電源を充電中に爆発し、出火する火災が相次いでいるとして、経済産業省が使用の中止と取引を自粛するよう呼びかけている。
この事故は昨年10月、福岡県の倉庫で大容量のリチウムイオン式のポータブル電源を充電中、爆発して周辺を焼損する火災が発生。6月には岡山県でも類似の事故が報告されている。
引用元:https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/3/23907.html
ポータブル電源を国内販売するにはPSE検査の適合が必要
上に紹介したような事故が発生する危険性もあるポータブル電源、当然ですが、国内での販売にはきちんと規制が設けられています。
電気用品安全法という法律によって、電気用品は法律で決められた基準に適合しなければならないだけでなく、特定電気用品に指定されている電気用品はその種類ごとに、登録検査機関の適合性検査に合格する必要があるのです。
ポータブル電源自体はPSE検査の対象でなないのですが、充電に使用するACアダプターが特定電気用品に指定されているため、日本国内で販売されるポータブル電源はすべてPSE検査に適合した安全なACアダプターを採用していなければいけません。
特に海外製のポータブル電源には注意が必要
もちろん、海外製の製品が全て危険というわけではありません。
きちんとした安全対策を施した質の高い製品もありますが、その一方でずさんな品質の危険な製品も堂々と流通しているのが実情です。
最近はAmazonなどをはじめとした大手ネットショッピングサイトでも、聞いたこともないメーカー名や、ともすればメーカー名の記載すらない謎の海外製品が大量に販売されています。
PSE検査適合品かどうかを判断するには?
PSE検査に適合した製品には、必ず「PSEマーク」と呼ばれるマークが標示されています。
このPSEマークを確認することで、お手元の電気用品がPSE検査適合品かどうかを判断することが出来ます。
PSE検査の対象はACアダプター
PSE検査の対象となるのは、ポータブル電源本体ではなく付属しているACアダプターです。
PSE検査適合品のACアダプターには、必ずPSEマークが標示されていますので、お手持ちの電化製品のACアダプターを確認すれば、PSEマークを見つけることができます。
PSEマークには2種類ある
PSEマークには丸形と菱形の2種類があり、どちらも「PSE」というアルファベットが印字されているのは共通なのですが、その形状によってPSEマークの意味合いが違います。
- 菱形のPSEマーク
菱形のPSEマークは、政府が認定した登録検査機関での検査に合格し、認定証を交付されなければ標示することができません。
- 丸型のPSEマーク
丸型のPSEマークは、自主検査や第三者の検査機関で検査を実施し、その結果を保管することで表示することが出来ます。
ACアダプターなどの特定電気用品は、より条件の厳しい菱形のPSEマークを取得する必要があるのに対し、一般的な家電製品やモバイルバッテリーなどは、自主検査だけでPSE検査に対応したということで丸形のPSEマークを表示できます。
ポータブル電源などに付属しているACアダプターの場合、菱形のPSEマークが標示されていれば、その製品は登録検査機関による検査に合格している、きちんとした製品であるということが言えます。
不正表示には気をつけよう
菱形のPSEマークは登録検査機関による検査にパスしなければならないため、丸形のPSEマークに対応するよりもハードルが高いです。
そのため、海外の製品を中心に、PSEマークを不正標示している悪質な製品が流通しています。
PSEマークのそばに日本国内の事業者名が記載されていますか?
菱形のPSEマークが標示されていても、以下のような場合は不正標示にあたります。
- 日本国内での輸入事業者名が記載されていない
PSEマークのそばには、日本国内でその製品を販売する事業者名が記載されています。
海外製品の場合は、日本国内にその製品を輸入している事業者名となります。
PSEマークの不正標示の事例では、菱形のPSEマークのみを標示し、事業者名の記載がないというケースがあるので注意が必要です。
- 輸入事業者名が「株式会社〇〇〇〇」等明らかに仮名になっている
輸入事業者名が「株式会社○○○○」や、「株式会社」とだけ記載されており、明らかに正しい事業者名が記載されていない状態の製品もあるようです。
もちろんこの場合も不正標示となります。
- 輸入事業者名が海外の法人名になっている
PSEマークを取得するのは、日本国内で輸入や販売を行う事業者でなければなりません。
従って、PSEマークのそばに事業者名の記載があっても、それが海外法人のものである場合は有効なPSEマークではないのです。
まとめ
- 国内でのポータブル電源の販売にはPSE検査の適合が必要
- PSE検査の対象はACアダプター
- PSEマークが標示されていても不正標示に要注意
一般的なモバイルバッテリーなどと比べても、大容量の電力を扱うポータブル電源。
海外製のポータブル電源では実際に爆発事故が発生した事例もあるだけに、安全性はきちんとチェックしてから選びたいものですね。