ポータブル電源やモバイルバッテリーなどで、バッテリー容量の表現として「mAh」や「Wh」という単位をよく見かけますよね。
何となく数字が大きい方がいいんだろうな……と思いつつ、具体的にどういう単位なのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
このページでは、ポータブル電源やモバイルバッテリーなどのスペック表記でよく見かける、「mAh」や「Wh」といった単位について解説します。
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mAhとは?
mAhとは、バッテリーの放電容量を示す単位で、何mAの電流を流すと1時間でそのバッテリーを使い切るか? という意味になります。
つまり、放電容量5000mAhのモバイルバッテリーは、1時間で5000mA=5.0Aの電流を流すと容量が空になるというわけです。
使用する電流が少なくなれば当然長持ちするので、1.0Aで使用すればバッテリーは5時間持つことになります。
mAhとは、
何mAの電流を流すとそのバッテリーを1時間で使い切るか?
という形式でバッテリーの放電容量を表す単位です
スマホの急速充電などでは機種によって差はありますが、おおよそ2A~3A程度の電流を使用します。
その場合、仮に2.5Aであれば、5000mAhのバッテリーでスマホの急速充電を行うと2時間でバッテリーを使い切るということになります。
5000[mAh] ÷ 2500[mA](2.5[A]) = 2[h]
Whとは?
mAhが電流でバッテリー容量を表現する単位だったのに対し、Whは消費電力量(ワット時[Wh])に注目して、その消費電力量でバッテリー容量を表現しています。
電力を求める計算式は、
電力(ワット[W]) = 電流(アンペア[A]) × 電圧(ボルト[V])
ですから、Whでの表示では使用する電流だけでなく電圧も関係してきます。
Wh = 電圧[V] × 電流[A] × 時間[h]
100VのAC端子を備えたポータブル電源で考えると、そのAC端子で1Aの電流を1時間使用した際の消費電力量が、100Whということになります。
100[V] × 1[A] × 1[h] = 100[Wh]
ということは、100Vの電圧で2Aの電流を30分使用した場合も、
100[V] × 2[A] × 0.5[h] = 100[Wh]
となり、先ほどと同じく消費電力量は100Whとなります。
計算の際は単位に注意しよう
mAhもWhも、計算を行う際には単位の取り扱いに注意しましょう。
mAhの場合、流れる電流がアンペア[A]なのかミリアンペア[mA]なのかをはっきりさせて、きちんと単位を揃えて計算する必要があります。
先ほどの例で登場した5000mAhのモバイルバッテリーであれば、流れる電流が1Aの場合、計算上は 1A = 1000mA に変換して単位を揃えてあげましょう。
Whも同様に、消費電力がWなのかkW(1kW = 1000W)なのかという点に気を付けなければいけませんし、時間単位もh(時)ではなくm(分)やs(秒)と混ざってないか注意が必要です。
Whは1時間あたりの消費電力量を表す単位ですから、30分は0.5時間、10分であれば約0.083時間という風に、時間の単位も揃えてあげましょう。